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震えを受け入れる

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どもです。宇宙メガネです。

アメリカで生まれた「TED」というプレゼンテーション番組をご存知でしょうか。芸術、学術、エンターテイメント業界などの著名人の講演動画を無料で視聴することができます。つい先日、帰宅後にこの「TED」を見ていた時、軽く衝撃を受けたプレゼンテーションがありました。プレゼンテーターは「フィル・ハンセン」という芸術家。動画説明の冒頭にはこう書いてあります。

「フィル・ハンセンは美術学校時代、激しい手の震えに襲われ、大好きだった点描画が描けなくなりました。完全に打ちのめされた彼は、目標を見失います。立ち直るきっかけは神経科の医師のこんな単純なアドバイスでした。『限界を受け入れなさい・・・そして乗り越えなさい』」

この医師との出会いで彼の創作活動がどのように変わっていったのか。後でも書きますが、このプレゼンテーションは芸術の世界だけでなく、ビジネスから私たちの生活に至るまで、非常に大きな教訓を与えてくれます。とても素晴らしい動画だったので、今日はその中から心に残った言葉を紹介していきたいと思います。

■震える手を受け入れ、絵画を書き続けることに成功したときの言葉

・「たった一つの技法から離れることで、自分の芸術の枠組みを覆すことに成功したのです。限界を受け入れても創造力は高まることを確信しました」

■美術学校を卒業後、選択の幅が広がったせいで途方に暮れてしまい、スランプに陥った中で見つけた言葉

・「枠にとらわれないように努力するのではなく、枠の中に戻るのだ。制約を課すことで、さらに想像力は高まるのではないか?」

■3年間のスランプを振り返って

・「アートから離れていた過去3年を振り返るとやっていたのはカタチだけで、夢を追い続けるための方法を探すわけでもなかった。ただ、諦めていたのだ」

・「震えを受け入れるということは、芸術やテクニックの問題ではありません。それは人生や生きる技術に関係していたのです。私たちのしていることのほとんどは、手段が限られた範囲内で行われるからです」

最後の言葉には、ハッとさせられました。考えてみれば我々の生活はもちろん、ビジネスにおいても制約だらけです。

例えば、資金的な制約(費用をかけられない)、認知度の低さ(ブランド力の無さ)、人手不足(適した人材が集まらない)、時間がない(定められた納期)、よい情報が入ってこない(コネが無い)などなど挙げて行けばキリがありません。その中で、どのようにパフォーマンスを上げていくか。彼の言葉が示すように、カタチだけで諦めるのではなく、制約の中で「実現する方法」を探す努力をするべきなのでしょう。その先には、さらに強靭かつ自由になった組織が生まれるはずです。

最後に、彼の行った言葉の中で一番印象的だったものをあげてみます。

・「制約の中で創造性を発揮する術を学ぶことが、自分を変え、全体として世界を変える最も確かな道である」

下の動画、興味のある方はぜひご覧ください。