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本当に苦しい「トレードオフ」

こんにちは。宇宙メガネです。

昨年はブログの更新が滞っていたので、今年は心機一転、気の向くまま思いのままマメに更新してみようかと考えています。「あけまして」更新も含めるともう3本目。すごいですねー(自画自賛)。

さて、今日はタイトルにもある「トレードオフ(二律背反)」について、思ったことをアップします。

みなさんはトレードオフってご存知でしょうか? 簡単に言えば、「こっちを立てればこっちが立たない状況で、どちらかを選ばないといけない」ということですかね。例えば、飲食店なんかを立ち上げた時に「安いけど味はそこそこ」にするか、「高いけどうまい」店にするかを考えるというようなことです。「安くてうまい」なんて店はそうそう無くて、大体はどちらかを選んでスタートするわけです。

分かりやすく飲食店の例に出しましたが、我々の生活の中でこのトレードオフは頻繁に起こっています。もうひとつ例を挙げます。会社から自宅へ帰る際、ゆっくり景色を見ながら歩いて帰るか、それとも疲れたのでタクシーに乗って早く帰るか、悩むことがあるかもしれません。前者であれば“時間”を、後者であれば“お金”を犠牲にしているわけですね。

仕事でもこういったことが頻繁に起こっています。我々の仕事で言えば納期とクオリティですね。短納期になればなるほどクオリティの上限は下がります。ただし、仕事の場合は納期が何よりも優先されるわけですから、限られた時間の中でいかにクオリティの上限を目指すかが一般的なやり方でしょう。ただし、そこに「トレードオフが起こっている」ということが分からなければ、過剰な作り込みをして他の業務を切ったり断らざるを得なくなります。また、完成度に上限の無いクリエイティブという世界の中で、すべてに100%を出し切ろうとすれば恐ろしいほどの残業をしなければならないでしょう。やはりそこはトレードオフとして、どこかは100%、どこかは及第点として強弱を付けたり、パートナーに振って100%を目指してもらうなどしたりして“見極めながら”進めるしかないのです。我々はアーティストではないで、「ひとつの作品に渾身の想いを込めて…」なんてことはあり得ません。

一方で、経営側でもトレードオフは頻繁に起こります。例えば社員の待遇についてです。社員の皆さんの生活を良くしたいと思わない経営者なんていないと思います(これは断言してもいい)。ただし、同時に利益を出して会社を存続させなければいけません。それにはコストを抑える必要がありますよね。トレードオフの代表的な例でしょう。会社は常に贅肉を蓄えておく必要があります。すぐ風邪を引いて倒れてしまう状態では、給料がよくても安心して働ける会社とは言えないのです。こういったわけで創業当初の会社というものは、社員からの期待に応えたい一方、会社を守るというトレードオフにさらされるのです。(あ、なんかグチみたいになったかな?)

他にも会社はトレードオフのオンパレードです。どの事業をやってどの事業をやらないかも代表的なものでしょう。ほかにも商品を安く大量に売るか、高価に少量売るかもそうです。細かいところでは、社員の移動を自転車にしてコストを抑えるか、車にして機動力をとるかなんてのもありますね。

はぁー、まいっちゃいますね。書いているだけでもうんざりするのですが、これらのバランスをうまく取りながら乗り越えていく会社が成長するのだと思います。

それで、最初の飲食店の話しにもどります。「安いけど味はそこそこ」「高いけど美味しい」店の他に、たま~に「安くてうまい」店がありますよね。「あれ!?トレードオフしてないじゃないか」と思われるかもしれませんが、この背反する両者を同時に達成することを“イノベーション”と呼びます。

でもイノベーションなんて、そうそう起こせるわけではありません。大抵の場合はトレードオフの中で最良の選択を模索しながら進むのですね。そして時々、イノベーションも起こしながら企業は成長していきます。

こう考えると仕事って、目の前の業務をがむしゃらに100%頑張ることより、いかにバランスよく取捨選択するか、もしくは仕組みをひっ繰り返してイノベーションを起こすかの方が大事に思えますよね。そのために100%頑張るならアリだと、最近は思うわけです。

あ、そうそう。私には他にも苦しいトレードオフがありました。最近は仕事帰りにパーッと飲みに行くか、それとも早く帰ってカミさんの機嫌をとるか、毎度悩むんですねぇ。両方を一度に解決するイノベーション、誰か教えてくれませんか?